Prologue

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 ピリオドを打つ前の私についてなのだが・・・  聞いてくれるだろうか?    私の名は、"風間(かざま) 綾音(あやね)"。    生まれつき肌や髪、それ意外にもありとあらゆる体毛が白く、眼も朱色。  私は身体の色を持たないまま、生まれてきてしまった。  両親は生まれた私の身体を見た日を期に、絶望して蒸発したのだと、小学校の頃にお婆ちゃんから聴かされていた。  小学校、中学校・・・  肌と髪の色が、普通の人と違う。  a2f6655a-ef28-47c5-8ca6-6f34aa608dbc  その理由だけで、私の人格は否定されて罵られ続けた。  容姿にコンプレックスを抱いてから、高校2年生になるまで黒髪のウィッグとマスク、サングラスと日傘は欠かせなかった。  いつしか私は心を失いかけた時、愛を教えてくれたのは・・・  私の人間らしさを取り戻してくれたのは・・・  見掛け倒しの建前しか口にしないお婆ちゃんではなく、私の愛しい義兄だけだった。  
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