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・・・高校3年の夏。
ソフトテニス部に所属していた私は、内地の県大会にあたる北海道全地区大会、通称"全道"大会にてシングルスは予選敗退。
団体戦及びダブルスは順調に勝ち進んだが、全国大会出場決定戦で破れ、ベスト8入り出来ず10位入賞。
その結果を最後に、部活動引退となった。
帰りの送迎に来てくれていた兄貴の車の助手席で、イヤホンで耳を塞いで泣きながら音楽を聴いている姿は兄貴にすら見られたくなかった。
既に中型二輪の免許を16才の頃に取っていたが、遅生まれだった私は部活引退からすぐに自動車学校に通って自動車運転免許を取得。
しかし一方で、依然として進学か就職で悩むどころか進路希望調査表すら白紙で提出して職員室に呼び出され、進路は未定のままであった。
お先真っ暗という言葉を当てはめられる事を嫌った私は、高校入学を機に知り合った友人と一緒にゲーセンやカラオケで遊び、自宅である祖母の家に帰るのが日課になっていた。
生活指導部という生徒会委員の役職を任されていた私にも反抗期というものが訪れたのか・・・
生活態度は良好とされていた成績通知表の備考には"特に制服の乱れを改善するように"と担任に掛かれ、保護者である祖母が頭を抱える程だった。
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