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綾音の態度に、ついに緑色の髪の少女が感情を表す。
緑色の髪の少女はガタンと音を発ててパイス椅子から立ち上がる。
「……喧嘩売りにきたの?
せっかくだからウチの名前も覚えてって。
ウチは"松坂 真凜。
この部活で広報担当してる。
ねえ、ウチが今やってる動画配信の視聴者さん、綾音ちゃんのメイク気になってコメント来てるよ?」
真凜の言うことに、綾音はムッと眉間をしかめて問い質す。
「メイク……?」
「そう。その銀髪はどこの美容室で染めたの?
その赤色のカラコンは?
ねえ、その真っ白なファンデ塗りすぎじゃない?
江戸時代の白粉どころじゃないよ、何それ。お化けみたい」
自身の容姿を罵られ、綾音はグッと拳を固めるが、それでも怒りを堪えた。
「私はアルビノっていう生まれつきの病気で……」
「じゃあウチらのパドックに喧嘩売りに来たのも"私は病気なんです"アピール?
可哀想だって思われたくて来たの?
日焼けしたくないからウチらのパドックの屋根に図々しく休みに来た訳?
"私病気だから"って悲劇のヒロイン気取ってウチらにシンデレラごっこ付き合わせたかったの?」
真凜の心ない言葉に、ついに綾音は堪忍袋の尾が切れた。
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