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「いや、俺も分かんないけど何となく…?」
「渡してきた本人が分かんないって、そら俺にも分からんわ」
俺と八幡は本当に只のクラスメイトである。特にお互いに普通以上でも、未満でもない存在。友達、まではいかない、そんなようなもの。そうだと、俺は今まで思っていたんだが…
「実は俺も、ブラックは飲めねぇんだよ」
…何故俺はあのあと雪の中引っ張られて、公園の庇の下のベンチでこいつと二人でココアを飲んでるんだ…?てかこのメーカーのココア、俺史上一番美味い。
「じゃあ何で買ったんだよ」
「お前ブラックコーヒー飲めそうな感じするから」
「…もしかして見た目で判断した感じ?」
「そういう感じ」
全くついていけない。俺は自分の真っ黒の髪に手を伸ばす。うん、もっと柔らかい髪質がよかったよ。
「で、わざわざ俺に飲料奢ってまで何したかったんだよ」
すると八幡はギクリ、とでも云うような顔をして横を向いた。おい。
「……勉強教えて欲しい的な」
「…お前そんなに成績悪くないだろ」
ズバリと言うとぐうの音も出ないようである。学年トップ10に入ってるやつが何言ってんだ。
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