これまでのあらすじ

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これまでのあらすじ

 雨宮深雪が《監獄都市》にやって来て半年、再び囚人護送船(よもつひらさか)が東京湾に入港する時期を迎えていた。  新たな囚人と《監獄都市街》に暮らすゴーストたちの間に抗争やトラブルが起きないよう、赤神流星とともに街を巡回していた深雪とシロだが、《アルコバレーノ》という名のゴーストチームが、たった一人の少年にアニムス(能力)を使うこと無く、叩きのめされたという事件に遭遇する。  しかも彼らを襲った少年の顔は、深雪によく似ていたと証言するのだった。  そんな偶然があるのかと訝しむ流星と深雪だが、そんな中、突然シロが走り出してしまう。慌てて追いかける深雪が理由を尋ねると、シロはとても懐かしい声で呼ばれたのだと言う。声の主に会いたいと語るシロの後ろ首に刻まれた数字とバーコードに、深雪は気付いてしまう。彼女の名前の由来は「46」という数字ではないか? 深雪は改めてシロがどこから来たのか疑問に思うのだった。  翌日も流星やシロと街を巡回していた深雪に、意識不明の重体で入院していた帯刀火矛威の意識が戻ったという連絡が入る。急いでリム医師の診療所に向かう深雪とシロだが、深雪は火矛威から《ウロボロス》壊滅した後、20年前に何が起こったのかを知らされる。紅神獄の正体。火澄の出生の秘密。そして深雪に顔立ちもアニムスまで似た、もう一人の男の存在を知るのだった。  情報屋のマリアに連絡を取ろうとする深雪だが、通話に出たのは見知らぬ男の声だった。その声は、乙葉マリアを誘拐したこと。返して欲しければ30分以内に深雪一人で国立競技場跡地に来るよう告げるのだった。  国立競技場で深雪を待ち受けていたのは、雨宮実由紀と名乗る、深雪と瓜二つの少年。碓氷という電話の男。そしてゴールデンレトリーバーのような獣耳のついた少女だった。彼らは第七陸軍特殊武装戦術群という対ゴースト専門のゴースト部隊で、彼らは深雪を迎えに来たと言う。  そして深雪は《雨宮=シリーズ》の六番であり、《レナトゥス》を継承するための器として生み出されたクローン体であること。シロは戦うために生み出された生体戦闘兵器()だと知らされるのだった。  一方、連絡が取れないマリアの行方を追って国立競技場にたどり着いた流星・奈落・神狼・オリヴィエは、影を操るアニムスを持つ男の襲撃を受ける。その男を目にした瞬間、流星は豹変する。男はかつて関東警視庁ゴースト装甲部隊の仲間を殺害した仇であり、元同僚でもある月城だった。流星は己の立場も使命かなぐり捨てて月城に襲いかかる。  一方の深雪は雨宮実由紀の《レナトゥス》によってアニムスを封じられ、頼みのシロは敵の獣耳少女に苦戦し、《ビースト》を暴走させて我を失ってしまう。シロを止めようととっさに前に飛び出した深雪は、脇腹を刺されてしまうのだった。  また流星も月城相手に苦戦していた。十二体すべての《レギオン》を破壊され、死を覚悟した流星の前に飛び出したのはオリヴィエだった。瀕死の重傷を負うオリヴィエは、流星に己の使命と思い出させるのだった。  奈落と神狼、そしてウサギたちが操る暴走SUVのお陰でどうにか第七陸軍特殊武装戦術群を退けたものの、深雪たち東雲探偵事務所のメンバーは身も心も満身創痍だった。  そして自らの出生の秘密と、自らの置かれた深刻な立場を知った深雪に、所長の東雲六道は衝撃的な選択肢を突きつける。  自分はもうすぐ死ぬ。そして深雪に己の後継者、新たな《中立地帯の死神》になれと。  
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