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真琴の住む丸ヶ峰は薬局が競合していて便利だったが、彼女は使う薬局は主にチェーン店の米樹薬局に絞っていた。
真琴迫害は町ぐるみなのでどこの薬局も同じだが、ブログで攻撃の記録を残すなら、相手は一つの薬局に絞った方がいい。
集中的に米樹薬局の攻撃を記録すれば、米樹側は責任の分散ができなくて不利になるからだ。
家から出渋っていたら食材を切らしてしまう。
真琴はしばらくあるものでやりくりしていたが、とうとうタマゴが食べたくていてもたってもいられなくなった。
木枯らしの吹く11月早朝、買い出しに飛び出る。
米樹薬局前を通りかかった時、青い制服の集団が薬局を囲んでいるのが見えた。
小悪魔的な容姿の代表青年が片手をあげて、加えた笛をピーっと鳴らすと、メンバーが小型器のレバーを落として入り口をダイナマイト爆破。
彼女が面食らっていると代表の彼が、難を逃れてホコリまみれで出てきた薬剤師女性に胸倉をつかまれている。
「ダイナマイトは偶然とか手違いじゃないでしょう!!」
「偶然なんです! 偶然なんです!」
かぶりをふって必死に言い逃れる代表青年。
その後薬局は天井と表玄関がなくなってしまったが、内部は機能するとして、夜間工事を続けながら、営業することになったようだった。
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