5人が本棚に入れています
本棚に追加
里香は泣きたくなった。
花嫁が考えたくないことを考えさせる。
否定は怖くない。
愚か者の否定は里香たちの結束をより強くするものだ。
こんな時、里香はいつもすぐ仲間の輪に入って面白くない奴をこき下ろした。
仲間がいれば正義と真理がわかる。
なのに今、里香は仲間のもとに逃げられず、考えることを 余儀なくされていた。
「本人が悪いんじゃないか」
里香は今、自分を疑う危機にさらされ、今までの信仰に必死にしがみついていた。
一人で考えたことも判断したこともない。これからもしない。
花嫁はヴェールを取り、腰をかがめて、里香の顔を覗き込んだ。
彼は妖艶に微笑すると、里香に前置きすることなく、片手で彼女の身体をなで始めた。
里香は彼の美貌に困惑し、甘い屈辱に自分が怒ってるのか、恋してるのかわからなくなる。
花嫁は憎かったが、恋は手に入った。
彼は里香のベッドに乗り上がって来た。
「若くて美味しそうだね。一口いいかな」
拘束具でがちがちの女性を男性が襲うのは絵的に残酷なはずだ。
しかし、彼は非常に愛撫の手際が良く、一口と言いながら里香の首筋に甘くキスしてたちまち燃え上がらせた。
唇が重なると彼は獣のように情熱的で、里香の子宮が痺れあがる。
彼は食べるだけ食べてしまうと、「じゃあね」と言ってあっさり部屋を出て行ってしまった。
里香は恋の熱で溶けてしまった。
でも用無しにはされたようだ。
最初のコメントを投稿しよう!