エピローグ

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 ブルーフェニックス第三部隊、壮年隊長の雨風塔吉郎は大きな体で事務処理に追われていた。  身体資本の仕事なのに、隊長やってるとデスクワークが攻めてくる。  七月に入って夏本番、中庭のセミの声を聴きながら、彼はデザートのかき氷をかっ込んでいた。  彼のデスクに女性隊員が訊ねにくる。  「美曽根霞はどうしますか」  「しようのない人だが、協力してくれたからよしとしよう」  社会で話題になった警察の犯罪を糾弾する者は、のちに黒幕が黙らせる形となった。  しかし、ユーチューブ映像の公開で岡田里香はダメージを受けた。  米樹薬局そのものも、世界的に知られるようになり、マスコミが殺到したため、ブルーフェニックスは工作員クレンジングに成功した。  ブルーフェニックは国家権力に対抗できる組織で、友の会と戦っている。   武力を持った実働部隊の他に、報道、医療、芸術部隊などが存在し、福祉部署があること以外、構成は友の会と同じである。  同じことができなければ勝てないからだ。  今回の塔吉郎達の仕事も、報道、医療、芸術部隊と合同。君崎真琴援護の際は、御門凪、若鷺仁が役者として目立ったが、演出、舞台装置は裏方なくして成立しない。
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