オールド・エイジと妖精の蜂蜜酒

2/2
前へ
/15ページ
次へ
故に彼等はとても仲が良く、お互いの存在を尊重し合っています。エフェメラが最初にこの地に入った時も、警戒心を強く抱く彼女の事を街の人達は穏やかで優しく、適切な距離で受け入れてくれました。此処に住む事を決めた彼女に街の長が庇護魔法に協力して欲しいと申し出て来ました。 アルゴ・ヘイム一体には庇護魔法が施されています。これは、悪意や攻撃に晒される事を恐れる彼等の心の傷が深い事を意味していました。この魔法は街に住む魔法使いや呪術師達全員が協力して掛けた、偉大な魔法でした。 エフェメラは長に頼んで一件の古くて大きな屋敷の鍵を貰いました。この屋敷は養父が彼女に残した遺産の一つでした。中は月一で清掃がされており、埃や塵はありませんでしたが、経年劣化が進んでおり、痛みが酷く進んでいました。少しずつ手を掛けて直しながらその屋敷で暮らし、未来占いの商売を始めた彼女は直ぐに街の名物占い師となりました。子供達にも人気がある彼女は毎日、賑やかな生活を送っていました。ある時、寝室でベットに横になった時、古い天井を見ながら、養父の事を想い出しました。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加