懺悔

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懺悔

「おじいちゃん、これあげる!」 もう2年か、3年前の話。 友人間でチェキが流行っていた。 写真を撮るとすぐに印刷される優れもの。 粗い印刷に、たまに失敗する写真。 何よりも真っ白な写真が少しずつ色付けていく様が綺麗で、あっと言う間に人気になった。 例に及ばず私も購入し、暇さえあればシャッターを押して楽しんでいた。 ある日私は、祖父の家に遊びに行った。 祖父は末期のガンで入退院を繰り返していて、久々の帰宅。 私は当たり前のように祖父とツーショットで写真を撮り出てくるのを待った。 2枚撮影し1枚を何となく祖父にあげた。 他にもたまたまいた親戚や祖父オンリーなどたくさん撮影し、 「おじいちゃん、これあげる!」 と渡した。 「要らんわ」 って笑ってたっけな。 「要らないなら捨てていいよ」 私はそう言って半ば無理やり祖父に押付けた。 どうせ捨てるだろうなあ、そう思いながらも持って帰る訳にも行かず、祖父のベッドに置いて家路に着いた。
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