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「ゲイナー、そこ血が出てるよ。今回復呪文をかけたげるよ」
「すまんな。ホノ」
僧侶のホノが戦闘で傷ついた戦士のゲイナーに回復呪文をかけている。それだけのことなのに……。
「ああ……やはりお前の回復呪文は気持ちいいな。とろけてしまいそうだ」
「へへ、もっと気持ちよくしてあげるよ」
私の目には、何故か恋人同士がイチャイチャしているように映ってしまう。
確かにゲイナーは町娘をキャーキャー言わせるほどのナイスガイで、ホノは母性本能をくすぐる無邪気な好青年だ。二人とも十分な魅力を備えている。この旅に出るまで修行に明け暮れ、恋愛ごとに関しては全然疎い私でもそれは分かる。
しかしだからと言って、男同士で恋愛感情が芽生えるなど理解できぬ。ましてや魔王討伐という重大な使命を持つ身である我々は例え異性とでも恋愛をする暇などないハズだ。
「ほら見てみろ。お前のお陰でこんなに元気になったぞ」
「わあ、じゃあ次は守備力を上げる呪文をかけてもっとカチカチにしたげるね」
くっ、なんと卑猥な。それになんで二人ともあんなに頬を赤らめているんだ。片時も目を逸らさずうっとりと見つめ合ってからに。って顔が近いぞ。いや待て待てそれ以上近づいたらーー
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