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もし僕が女性だったら毎日一緒に登校しても何も言われないのだろうか。
別に凛子に感情がないわけではない。
だけど性別が違うから言われる言葉がどうもひっかかるのだ。
自分の気持ちが恋愛なのか、家族のような感情なのか、ただの友人なのか分からない。
欲に言う幼なじみという関係でいつも側にいた。
コミュニケーションの苦手な僕を人気者の凛子が友達の輪に入れてくれた。
いつも気にかけてくれていた。
僕もそこまで深く考えることなくこの感情は恋愛だと決めつけ恋心を抱いていた時もあった。
だが凛子に甘えて生きてきた僕にこの関係を崩す勇気がなかったのだ。
そうこうしている間に16年という歳月が流れてしまった。
「渚〜!凛子をどうにかしてくれよ〜!イヤホンの話はもうお腹いっぱいだよ〜」
悟が凛子の隣から僕の隣に移動してくる。
「なんでよ!まだまだこのイヤホンにはすごい機能があるんだから〜」
『もうやめておけ』
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