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 景冬は、秀がバックヤードで新メニューを確認しているときに慌ただしく入ってきた。 「おつかれー」  秀が声をかけると、景冬は息を弾ませながら、細い目を下げて微笑んだ。  色が白すぎて目立つそばかすが、逆にかわいい。 「おつかれ。修学旅行の班の行程決まんなくて遅くなっちゃった」 「間に合ってよかったな。なんか混んできたみたいだから、俺先入ってるね」  更衣スペースに入っていく景冬を尻目に、秀はカウンターに出て行った。  おっちょこちょいの河野さんが、レジでテイクアウト商品の箱詰めに失敗してドーナツをばらまいているところだった。  
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