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 悲しみでも切なさでもさみしさでもない何かが、にじみ出るように広がる。  けれど、うれしさや楽しさでもない。  それがなにか考えるには、今は忙しすぎた。  うららのうしろ姿は、自動ドアの向こうに消える。  行ってしまった。  早く、景冬と話がしたい。  あのブログも、直接見せよう。  泣かずに話せるか、少し心配だ。  まだ、秀は景冬の前で泣いたことがない。  と、にわかに店の外がざわつき始めた。  
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