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「ちょっと、あの、本当に申し訳ありません」  秀は男性客のドーナツをそのままにして、外へ向かった。  接客マナーとしてはアウトだが、今はその先を考えられなかった。  行くと、やはりうららが倒れている。  胸を抑えて、明らかにおかしい呼吸をしている。 「秀ちゃん救急車呼んで。つららちゃん、スマホどこ。スマホ貸して。お母さんたち呼ぶから」 「え、あ……」  バイト中の秀は携帯を所持していない。 「私が連絡しましょう」  ふりむくと、秀が接客していた男性客がスマホを取り出していた。  詳しい状況理解は後だ。  景冬が聞いたことのない芯のある張り詰めた声で言う。 「すみません! だれかAEDを! 駅から持ってきてください!」
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