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「あたし行きます」
小さな女の子を連れた若い女性が、女の子を置いてすぐそこの駅へ向かってダッシュする。
「お兄ちゃん、このお店、支店の名前教えて」
救急車を呼んでくれていた男性に聞かれ、秀はしどろもどろ店名を伝えた。
その頃、ようやく店長が店から出てきた。
「どうしたの」
景冬が手短に事態を話す。
「店長、すみませんけど私と細川くん早引けさせてください。この子、友だちなんです。」
「わ、わ、わかった。なんとかするよ」
景冬に気圧されて、店長も返事をする。
「すみません、私に電話かわってください」
景冬が今度は、救急車を呼んでいる男性に言う。
「おう。救急車、今向かってるって」
男性は景冬に携帯電話を渡す。
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