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 情報量が多い。  乗り込むと、うららは今しがたよりもっと苦しそうにしている気がした。  二人は隊員に促され、シートベルトをする。 「意識混濁してきてます。名前を呼んであげてください」  ぎゅうっと胸を鷲掴みにされたような気がした。  だめだ。  うらら。  行くな。 「つららちゃん。つららちゃん。すぐに病院に着くからね。大丈夫だよ。お母さんとお父さんも、すぐ来るからね。雪ちゃんのお兄ちゃんもいるよ。つららちゃん」  うららのほうに身を乗り出して、景冬が呼びかける。 「頑張れよ。もうすぐ病院だから。頑張って」  秀は、彼女をなんと呼んだらよいか戸惑い、けれど、もう二度と大切なものを失いたくない想いで呼びかけ続けた。  堪えてくれ。  どうか、君は。  せっかく会えたのに、景冬にも君にも聞きたいことが沢山ある。  君たちの秘密の話だけじゃない。  雪子の話を、聞かせてくれよ。  そして、そのきれいな指で、俺と景冬にピアノを弾いてくれ。  頑張れよ。  だって俺たちには、俺たちには、未来があるはずじゃないのか。
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