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第三十四話 真相を暴きたいのデス
ヒュートン・マリアと夫のレファン、残念ながらレファンはもうこの世にはいませんでした。
マリアは北との国境付近のムマンドのアジトに女たちと監禁されていました、痩せてはいましたが命だけはとりとめました。
彼女は夫の死は悲しんではいましたが、悪いことをした報いだからと詳細を話してくれたのです。
きっかけはハリーの婚約が解消されたこと、それからレファンは人が変わったように、北の王の言いなりになっていったそうです。
そしてグリビアルが、北との協定を断ったということでレファンはもっと追い詰められます。
最後には奥さんであるマリアを北に売ってでも自分の利益なる方を選んだそうです。
利益、レファンは何を手にするつもりだったのだろう?
最初は北の王がこの国を支配したらシャートン、ヒュートンの両領土をもらえると言っていたのに、それが変わってしまって、ハリーを恨むようになっていったという。
ただハリーは体がよくなると、城にはいなくなって捕まえることができなくなっていき、彼のイライラはマックスになっていった。
その矛先を向けたのがマリアの両親だった。
だがそこにも裏があり、レファンの知らないところでジャベール、農業大臣、ロックとルアナ・ムマンドこの四人が結託しているのなんて夢にも思わなかったでしょう。
城に乗り込んできた四人は何食わぬ顔でレファンに刃を向けた。
私の前に彼の胴体が置かれ、揺さぶってきましたが私はそれを拒みました。
叔父様が助けてくれる、私の王は彼らには屈しない。そう思い続けていたというのだ。
ハリーはマリアに謝っていたというが、そんなのはどうでもいいのだという、悪いのは北の国、ビエンタ王。
私たちも、難民の受け入れ、彼らの正義に手を貸しますわと言っていたんだそうだ。
これで本当に終わったのだろか?
私は話を聞いてそう思った。
なぜだろう?
たぶん、アッサム達のところに送られてきた首ハレファンの物だ、恐ろしい事だけど、そんなことを簡単にできる人間がいるという世界。これはこれからの王様たちの課題になるのだろうから。
【話は以上だ、だが気を抜くなよ、王は大事な親せきを傷つけ殺したことで完全に来たとの国交を断絶した】
国交断絶。
【いいか、よく聞け、もしも民主主義でそのまま王家が残れば彼らは亡命してくる】
亡命?
「もしかしてその亡命先はこの国?」
あり得るだろうなというのだ。
なんで?王様は何を考えているの?
さあな、俺たちはそういう面では親を信用していないところがあるからな。
政治のこと?
ああ、とだけハリーは入って交信は終わりました。
グルちゃんにお疲れ様と、お水をあげて、私はベッドに横になりました。
なんかつらくて、つらくて、体をぎゅっと縮めて泣いてしまいました。
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