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第三部 第一章 学校に行きます
第一話 ドア―フの銀行デス
「ここ?」
そこは洞窟です。
「ああ、明かりはあるが暗いからな、きおつけてついて来い」
「うん」
父さんは、お兄ちゃんを連れて、ドアーフの高利貸しに向かいました。
私たちがやり始めた事業はお金になります、人に支払いをしても黒字です。
そのためお兄ちゃんだけは自分の稼ぎを貯金しに来たんです。
ああ、ここは女性が入れないので男性しか行けません。
残念です、私の分も母さんの分も父さんに頼むしかありません。
結構稼いでます。
ムフフフ。
結構大勢の人がいます。
「静かだね」
「ああ、ここでけんかや怒鳴りあったりしたら、ドアーフは手を引く、金も借りられなければ、それまで預けたものもパーだ」
そうなんだ。
ドンドン洞窟の中に入っていきます。
フワーッと明るくなりました、そこには見覚えのある行灯があちこちに置かれています。
父さんを引っ張ると、買ってくれたんだと言っていました。なんだかうれしいです。
人が並んでいます。
「ここに並ぶ、一番だ」
上を見ると一番と書かれています。
「ここで、今日は何をしに来たか話すんだ」
「父さんについていったらいいの?」
父さんは首を振りました。
「今日はお前が金を預けるんだ、自分の稼いだ金だ、いえるよな」
父さんは隣にいる、それに父さんもお金を預けるから、同じことを言えばいいと言っていたんだ。そこで番号を言われるからその番号に行けばいい。
お金だけじゃないの?
人間や動物以外なら、なんでも預かるそうだ。
へー。
「次の方」
「金を預けたい」
顔をじろりと見る、日が当たらない場所にいるからか、真っ白い肌に、細い人たちばかりだ。
「名前をどうぞ」
「セリア・オールバン」
「手帳は?」
「持ってる」
「十一番へどうぞ、お次の方」
「初めてです、お金を預けたいのですが」
「名前をどうぞ」
「アルべ・オールバン」
ふんと鼻を鳴らした。
「三番へどうぞ」
待ってくれている父さんに三番だというと、あそこだなと教えてくれた。
それにしてもすごい穴だな?
ドア―フたちは優秀な穴掘り職人です。
足元のずっと奥から石を叩き割るような音は、ドア―フの穴堀と呼ばれ、たまに地震のような揺れを起こすこともあります。
下水処理の穴も彼らが作ってくれたものです、ただものすごいお金を取られるそうです。
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