第三十三話 決戦は一度デス

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第三十三話 決戦は一度デス

戦いは、最小限。 ジャベールの城に集まる人々。 一度に捕まえなくては意味がありません、そこは賢者様たちの腕の見せ所です。 ジャベール領を取り囲んだ。王都、王宮の兵士、シャートン卿の兵士たちが一斉にジャベールの家の中にいたものたちを捕まえにかかりました。 「では、ムマンドの方は我らが何としても押さえます」 アッサム達も、ムマンドたちを捕まえるために男たち、腕に自信のある女性たちが国を出て自分たちの領土の北を目指したのでした。 ムマンドらは賄賂として鉄を渡し、北の国と友好関係を築き上げていました。 貴金属もそうですが、人間の売り買いもしていたのです。 ただ少し遅すぎました。 一人残っていた祖母は最後まで、ムマンドたちと戦い、そして… 「おばあさまー!!!」 悲しみに暮れるアッサムたち。 アッサムの父ハレルは自分が信じていたものが崩れ嘆かれました。 私たちの国に残った女子供老人たちの悲しみの声が響き渡りました。 その日、北の国では、民衆が自由を勝ち取ったという声が広がっていました。 朝、兄に起され、一斉に話しかける植物たちの声を聴き、兄に抱き着き泣いたのでした。 冬になりました。 チャームは元気がありません。 いつも元気な声が聞こえないので、家の中も静かです。 父さんも、母さんも気を使っているけど、俺はほっておけと言いました。どうにもならないことで悩んでもしょうがないからです。 俺たちは、俺たちの生活があるだけで、それでいいんだと言い聞かせます。 チャームも、うなずいて、いつものように、いつもの冬が来るだけなのです。
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