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第五話 いけ好かない人はどこにでもいる様デス
授業は午前中で終わります。
帰りに、牧師やシスターたちが並びます、子供たちがサヨナラと手を振っています。彼女に尋ねました。
飛び級制度はありますか?
ニコニコ笑っているだけです、おい、返事は?
「すみません、お尋ねしてもよろしいでしょうか?」
「どうぞ?」
隣のシスターに聞いたら、ものすごい顔でにらんだの、だから私はわざと体が倒れるように彼女のほうをみんなが見るようにしたの。
顔を変えた。さっきの怖い顔が消え、にっこり微笑んでる、絶対コイツヤバいやつだ。
「飛び級制度はありますか?」
「ええ、冬しか来ない方もいらっしゃいますから、ですが試験はありますよ」
試験を受けたら上のクラスに行けますか?
「ええ、何故そんなことを聞くの?」
「聞いてはいけませんか?」するとちょっと年老いた牧師が来てこういいました。
「シスターガレット、説明はしなかったのですか?」
口ごもった。
あ、こいつダメな奴だ、直観的にそう思った。
「そうか、寄付金がない生徒は、試験なんか受けられない、お金出さなきゃ何にも教えることはないんですもんね」
「そんなことはないわ!」
はい、はい、この世の中も金次第ね。
「結局、お金かよ、はーあ、つまんねーの、ありがとうございました」
シスターたちは、私の言い放った言葉に?と言った顔をしていました。
家庭教師のほうがまだいいか。
「チャーム、お話終わった?」
「ねえ聞いてよー!」
私はメリーにその話をぶちまけたのでした。
「あの先生、ブルーに似てるね」
「顔?」
「違う、性格?」
アー、そういわれればそんな感じだな。
「もしかして刺客?」
「なにその刺客って」
「隣町から流れてきた子供を見つけに来た」
「うそ!」
「あり得るぞ、うちのクラスは、半分がそうでしょ?」
「どうしよう?」
どうしようって、話を聞いていたらわかるだろうが。
「まずは調べないとだめだな、兄ちゃんに頼もう」
「うん!」
同級生の中に必ず一人ぐらい、ちょっと外れた子がいると思いきや、先生かよっと感じだった。
兄ちゃんたち悪がきんちょたちにその話をしました。
「まじかよ」
「やばくねー」
「おれあいつだいっきらい、こえーし」
やっぱりそうなの?
去年から見たい、どこから来たのかもわからなくて、そん前のシスターローズのほうが全然よかったなんて言っています。
「でもなー、シスターたちをどう丸め込む?」
「男か?」
「なびくか?」
「もう、まじめに!」
「まじめだよー」
結婚もできます。女性は神に身をささげるというわけではなさそうです。
兄ちゃんたちはとにかく、手分けして探ってくれるそうです、一番はシスターの見張り、どこかで、誰かにあう可能性がある。
そうか、王様が来る前に。
そういうことだ、みんな動くぞ。
おー!
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