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哀川るいの涙②
下駄箱を開くと、水色の封筒が入っていた。ピンクのハートのシールで封がされている。
差し出しの名前を確認すると、「一喜憂一」とあった。一喜君は萌ちゃんの好きな人だ。中学からずっと片想いをしてるって、私に応援して欲しいって言ってた。
だから、何かの間違いだと思った。
私は一喜君とは何の接点もない。話したことすらない。けど、手紙の宛先は確かに私だった。
「どうしよう……」
頭がパニックになった。目に涙があふれ、こぼれる。
萌ちゃんがこのことを知ったら、ショックを受けるに決まってる。嫌がらせかとも思ったけど、蛍光灯にかざしてみたら確かに「哀川のことが好きです」と書いてあった。罰ゲームだったとしても、達が悪い。
「どうしよう、どうしよう、どうしよう……」
焦れば焦るほど、涙は止まらなくなる。だって、気づいてしまったから。
私も一喜君のことが好きだ、って。
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