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出ると黒いマントをまとった一人の男が、エンダーツさんが立っていた。
「失礼します。国王陛下より連絡員として同行するよう言い渡された、エンダーツと申します。宜しくお願いします。とは言っても私は影の存在。気に留める必要もないし、最初からいない者として認識して頂きたい」
「あっ、エンダーツさん。表の騒ぎは?」
「その前に一つ。カノン・エシャーシ殿。緊急の為、私が預かって参りました」
エンダーツさんがカノンに一枚のカードを渡した。
「こ、これは冒険者の登録カード!わ、私の〜!?や、やったあー!」
喜ぶカノンの横で僕はカードをちらっと見た。
レベル60!?
いつ測ったの?っうか、60といえばそれこそ国の騎士団長クラスじゃ………。魔王討伐に参加してもいい実力者だよな。カノン、本当にスゴかったんだ〜。
「よっしゃー!これで堂々と魔物討伐できるぞ!」
「でも単独でもいいの?」
「レベル50を超えていれば、その者の責任及び裁量権により、一人だろうと何人だろうと依頼は受けることができます」
「じゃあこれで正式に依頼を受けて、出発していいってことだよね」
「その通りです」
「もしかして表の人たちは冒険者?」
「はい。今回の件は冒険ギルドに依頼して、すぐに締め切りをかけたのですが………。知った一部の冒険者たちが何とか加えてもらおうと集まったのでしょう。何しろ国王陛下からの依頼ですから、多額の賞金と自分の名を売るのが目的だと思います」
「賞金も出るの?」
「無償で依頼するわけにはいかないので」
「ん~。無理を承知で、これだけ来ちゃったわけ。どんだけ欲深いんだ」
「そんなの当然よ。多少図々しく、気構えを持って取りにいかないとやっていけないわ」
カノンが言った。
「魔法教会からは応援が来るそうです」
「この状況はどうしたらいいんですか?」
「私の管轄外です」
「そ、そんな~」
「水流・爆竜破ー!!」
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