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「あのう、すみません。お聞きして宜しいでしょうか。彼らは何で死んだのですか?」
僕は手を少し上げて、思いきって発言した。
「報告では急に苦しみ始め、体が燃え上がって絶命したらしい。まあ拷問や処刑されるぐらいならと、自決する魔法をかけていたのかもしれない。今となっては調べようがないのですが」
「前もって自決の魔法をかけるなんてあり得ません。誰かがその場で実行したのです!」
マリヤが突然、口調を強めて言った。僕は、いや誰しも驚いた様子だった。
「ち、ちょっと、マリヤ………」
「私は相手の魔力や構築した魔方陣を読み取ることができます。彼らを連れていく際、そのような禁じ闇魔法にかかった者は一人もいませんでした」
「そなたが聖女マリヤ・アドシノーヌ殿か。成程、これは再調査する必要がありそうだな。カレン師団長、頼めるかな」
「ハッ、勿論です。直ちに!」
カレンさんは国王陛下に敬礼して、王座の間からバラの香りを残し出ていった。
「さて、本題に………。はあ~、堅苦しいのはどうも苦手だ。もう少し楽に話そうか」
えっ?
「今まで盗賊にかかっていた賞金を、君らに与えようと思ってな。どうだ?」
どうだって言われても………。
「はい、有り難く頂きます!」
(はぁ?カノンには関係ないだろう!)
(どうして?貰えるものは貰わないと)
(僕たちには必要ないって)
(旅には必要よ。あって困るものじゃないわ)
こそこそと僕とカノンで言い争う。
「もし頂けるなら………」
えっ!?マリヤまで言うの!
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