6 カイラノマ国王の依頼

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「国で預かって頂き、災害時の被害救済金として使うようにしてもらえたら嬉しいです」 「な、成程、そうか。ではそのように取り図ろう」 「有難うございます」 何故だろう、国王陛下は残念そうな顔をしている。 カノンも同じ顔だ。 「今回、ある意味非公式に招待したのは理由がある。聖女マリヤ殿が王都にやって来ているという話がかなりの早さで広まっているのだ。この意味が分かるかな。不安の表れでもあるのだ、カイテット第四師団長!」 しっかり手入れされた口髭をした、知的な感じの男の人が列から一歩前に出た。 「はい、では説明します。私こと第四師団の主な役目は王都の防衛です。まだ公にしていませんがここ最近、王国の北東に魔物の目撃情報が寄せられるようになったのです。実害は勿論出ていませんが、近々魔物が攻めてくるという噂があっという間に広がってしまったのです」  さらに話そうとしたカイテットさんを手で制し、国王陛下自らがマリヤに語り始めた。 「そこへ聖女マリヤ殿が現れた。一気に現実味帯びてきたというわけだ。混乱が起きないよう、たまたま訪れた旅人ということにしたいのだ」  いやいや、元よりそのつもりなんですけど。 「私のせいでご迷惑を………。申し訳ありません」 「そなたのせいではない。全てこちらの事情だ。我が国の歴史は対人間戦で、対魔物とは無縁であった。よって魔力があっても、実経験が圧倒的に乏しい。もし魔物が攻めてきたら、冒険者ギルドの力を借りねばならないだろう。実に情けない話だ」  カイテットさんは何か話しをしたそうにみえた。 「我が国とそなたとは何の繋がりはない。たがあの世界から恐れられた大魔王を退けた力を、どうか我が魔法師たちに享受できないだろうか、頼む」 何と国王陛下自らがマリヤに向かって深々と頭を下げたのである。 「国王陛下ー!」 全員が驚いて声を上げた。僕自身は驚いて逆に声を上げられなかった。 「私からもお願いします」 王妃様も続けて頭を下げた。 ええっ!!王妃様も!?これは一大事だ。どうする、マリヤ。どうするんだーーー!?
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