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「あのね、私を幾つだと思っているのよ。短期間に強い魔物があちこち出没していたら、人類なんてあっという間に滅亡してしまうわ」
「ん~、それもそうか」
「マリヤちゃんが簡単に倒せるかのように言った時、驚いたと同時に今それだけの力があるのかなと思ったわ」
「はい、カノンさんの実力なら充分可能だと確信したので言ってしまいました」
マリヤはカノンさんの実力を見ていないのによく断言ができるな。言い切って大丈夫なのか?
「でも国王陛下が頼んでくれると言ったけど、結構ギルドは頭が固いところだから難しいんじゃないかな〜。私が冒険者にならないと依頼も受けられないでしょ。その時はどうする?」
「別にそれならそれで勝手に出発して、魔物が出たら退治していけばいいんじゃないか」
「それだと賞金が出ないわね。疲れるだけで得もしないし、逆に獲物を横取りしたと言われるかも」
「えっ?そういうものなの」
「ああ〜、こんな形でキガヒスト王国に戻るなんて」
カノンはため息をついた。
確かに複雑な思いがあるだろうなと思った。
「あっ、そうだ!カノンはラミィと出会った時、随分驚いていたようだったけど」
「ふう~、気づいていたの。多分、ラミィちゃんたち兎族の獣人狩りをしたのはキガヒスト王国の兵士だわ。奴隷として大勢連れられてきたのを見たことがあるから」
ラミィはうつ向き、体が震えている。
「獣人狩りの犯人に、魔物の目撃情報。何やらキガヒスト王国の周辺がきな臭い感じがしてきたな」
「まあ、着いたばかりで色々あったわね」
「そうそう。疲れただろうし、早めに休もう………」
「何言っているの、大事なことを忘れているわ!」
「えっ、何?」
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