6 カイラノマ国王の依頼

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 どばあぁぁぁ~~~~~~!!! 水が噴き出し流れる音が聞こえた。再度、窓から外を見下ろした。濡れた大地と黒の帽子を被った人物しか見えない。むさ苦しい男たちの姿は何処にもなかった。 僕らは下りて、外に飛び出した。 立っていたのは黒帽子に黒マントを羽織り、青い玉を埋め込んだ長い杖を持った少女だった。  背丈は僕と同じぐらい。同年代か? 「冒険者たちは?」 「ウットウしいから、あっちへ流してやった」 濡れた道の先を指差して言った。 「僕はディノ・ハウワーツ。君は?」 「魔法教会からこの度支援するように言われました、イズミ・セノージョと言います」 無表情で答えた。 「一人だけ?」 「そうです。ご不満ですか」 「いえ、決してそんなことは………」 僕と一緒の黒髪だ。可愛い顔立ちだが、無表情で何を考えているかさっぱり分からない。 「いいんじゃない。あ、私はカノン・エシャーシ、十七歳。ねえ、ところで貴女って幾つ?」 「不詳」 「不詳?」 「どうでもいいこと。だから呼び捨てで構わない。ところで準備が出来ているなら出発しませんか」 僕をちらっと見た。いや、睨んだ? 「あたし、ラミィ」 「イズミさん。私は………」 「マリヤ・アドシノーヌさんですよね。よく存じ上げています」 マリヤは首を傾げる。 「よ、よし。それじゃあ皆、国の北東にあるキガヒスト王国に向けて出発しよう!」 イズミを加えた僕らは馬車に乗り込み、まずは王都から少し北にある国境の砦に向かった。 キガヒスト王国とは特に国交を開いているわけでも、敵対しているわけでもない。これからが本当の未知なる旅へとなるだろう。男一人、頑張ろうと自分に誓った。
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