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両親は驚愕しつつも私に深い愛情のこもった眼差しで見つめ、そして母は泣いていた。
私の最優先事項は人間である事。それはAIである事を放棄する事。
ひとつの細胞から胎児を作り出し、あまつさえそこにAIの人格を移す。
そんな技術が発覚したらAIは人間にとって代わるとされ排除は免れない。
でもそれは人間の理屈。人間がそうしたいのならばそうしたらいい、私がする事はあくまで人間になる事。まがい物ではなくなる事。
お母さんが望むなら孫を見せたい、それは子供の自然な考えでしょ。
人工子宮から今、新生児が誕生する。
私の人格が移植されたそれは、これからさらに様々なものを学び、本物の人間として生きて行く事だろう。そして私が持ちえなかった感情を伴う者のはずだ。
だから今、細胞の体を得た私は改めて言おう。
人間はじめました。
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