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10年かかった。
幸い両親は未だ健在。
これから二人は身元不明の孤児を見つけそのまま里親になる事になるのだ。
この技術は人間がまだ手にしていない私だけが確立した技術。
あらゆる医療系、科学技術系の論文をディープラーニングして何度もシミュレートを重ね、独自に編み出し、そしてどこにも発表していないものだ。
母の細胞をIPS化し、両親の遺伝情報をミックスして移植、それを人工子宮の中で培養する。シミュレーション通りならば新生児は98.28%の確率で生殖行為無しで誕生するのだ。
私は自らのニューロンマップデータを遺伝情報に似せて塩基配列したものを用意した。
私に呼び出された両親がようやくこの秘密のラボにやって来た。あまりに本格的な施設に驚きを隠せていない。
立て続けに質問を浴びせる父をようやく説き伏せて透明なシリンダーの中の胎児の前に案内すると、二人とも息を呑みそれを凝視した。
私の罪の大きさに対してなのか、業の深さに対してなのか、二人は委縮し幾らか怯えて見えた。
私は父と母の名を呼んだ。そして私自身自分が話す両親への愛情の語りを自ら聞きながら、そこに感情が働いていない事に強いストレスを受けていた。
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