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お母様は城主様
異世界からこんにちワン 空中帝国墜乱 呪われた薔薇の令嬢編
アースツーを浮遊する巨城、空中機動要塞ダインクーガーというけったいな物件が空を浮かんでいたという。
ローゼリア・リトバール・エルネスト(5歳♀)は、ちっちゃな赤い靴で、赤い絨毯の敷かれた廊下をテッテッテと走っていた。
母親にそっくりなフワフワの金髪が光る、まさに国宝級の可愛らしさがあった。
「おう!お嬢様どこかにお急ぎで」
城の機関士のお爺さんに、ロージーは言った。
「ヨーゼフのおじいちゃま。ごきげんよう。お母しゃまがキッチンにいますのー」
「ああ。そりゃあ!ーーご災難なことで」
ヨーゼフ・クロフォードは小さく呟いた。
ヨーゼフは、彼女が幼少のみぎりからお仕えする古株で、彼女がルンルンでお屋敷の厨房にいたのは知っていた。
彼女が作ってしまった非人道兵器を処理するのが、我等が偉大なる救星の勇者の仕事だった。
まあ、普通に考えれば来るな。太陽神ソルスに焼かれるロリコンが。
今でこそ幸せそうな奥様におなりだが、ご長男のロズウェル様がお生まれになる前は、みんなが思うておったのだ。我が儘なお嬢様と思いきや、誰よりもお優しくウブな花のようなお嬢様を食った最低な国王死ね。ソルスに焼かれろロリコン。と。
伝声管を利用して、全職員に伝えた。
「今日の業務は全て中止だで。ソルスに焼かれろロリコン国王」
「了解。ソルスに焼かれろどスケベ国王陛下」
「ええー?!今日城主様に報告書出そうと思ってたのに!もう!ソルスに焼かれろ変態勇者!締め切り過ぎてるのにー!」
「了解。本日全ての業務を中止する。我等の可憐極まるお嬢様をかっさらったロリコン勇者に死を」
「おう!アリエール様の純潔を奪ったゴミカス勇者マジで死ね。今よりダインクーガー1号城は殺意への船出パート2に出る。ヨーソロ」
まあその内来るだろう。魔王の野郎が敷いた転移法陣で。
今頃お嬢様は、ウキウキでイカルゴの野郎の作った指輪なんか嵌めちまって。
お嬢様が星を救ったのは流石だ。
だが、おめえには用はねえんだロリコン野郎。
本に。心から、呪われろジョナサン・エルネスト。
ヨーゼフじいさんは強い強い呪詛を飛ばしたのだった。
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