お母様は城主様

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 その夜、アリエールはいつもの執筆中だった。  勇者ジョナサン・エルネストと賢者の石から始まり、新緑の姫君、金色のミイラ、桃色の王子、烈赤の巨竜、薔薇の令嬢、緑翠の村娘まで進み、ついに勝利のハート・オブ・サンライズで勇者の冒険シリーズは完結した。  今は、薔薇の令嬢のスピンオフ、美しき薔薇の愛嬢シリーズを開始。  冬薔薇、春の薔薇と来て、今は夏薔薇の日々の続きを書いていた。  ロージーもロズウェルも、父親と楽しそうにはしゃいでいたから、とっくにお眠になっているだろう。  かけていたローズメタルフレームの眼鏡を外し、背伸びをしたところで、背後から抱きすくめられた。 心から愛する、内縁の情夫の温もりを感じた。 ついで、クルリと回転し、城主と情夫は、対面に抱き合う構図になっていた。 「まだ書いてんのかお前。勇者ジョナサン・エルネスト」 「覚醒した神魔王(しんまおう)との宇宙戦を越えて、勇者は(わたくし)の元に帰ってきましたのよ?今執筆中の薔薇の愛嬢シリーズはミリオンセラーになっておりますの。アニメ化の話も出てますのよ?」 「ブリュンヒルデんところの会社か?チーフアシのバーニーはやっぱり逃げたが撃たれて捕まって、最終的に執行猶予付きで釈放。ブリュンヒルデも結局執行猶予で出てきたもんな。今頃リバウンドしてなきゃいいが。うお!お前とこんな風にしたっけ?フラさんと混同してるだろう。うん。それでアリアが出来た。ってお前、ロージー出来た時ミラージュもいただろうが。お前がメタモルフォーゼでベッドに隠れてたろう。ミラージュの出番全消しになってるじゃねえか」 「う、うぎ!それは」 「まあいいよ。エピソード小出しにして引っ張るのもありだろう。まあぶっちゃけリトバールグループ唯一の出版会社だしな。うん。まさにこれやってみようかアリエール。ああおっぱいおっきくなったな。今日抱き締めた時感じた。はいアリぱいご開帳」  ガウンを開いた。目の前に、可愛い愛人のピンク色がプルンと揺れた。  アリエールはEカップといったPTAのおじさんは正しかった。 「ふぎゃあああす!何をしますの?!アリぱいはおやめくださいまし!」 「フラぱいって最初に言ったのお前だって話聞いたぞ。もうパンパンになっちゃってて。やっぱり匂いがしたんだ。ロージーは飲んでるのか?まだちっちゃいから」  やおらジョナサンは、アリエールのおっぱいに吸い付いた。 「ひん♡あ♡んん♡もう♡このワンちゃんは♡」 「体温上がってますますぬるいアリ乳美味しいな♡風呂上がりに裸でバスローブ。タオルは頭に巻いちゃって、完全に人妻っぽくなっちゃって。まあ実際俺の恋人なのは間違いないし。メタモルフォーゼで座ってた椅子に同化して、今膝の上に乗っけたアリエールのニャンニャンちゃんにクチュクチュしちゃーよー♡おいで♡」  片腕でぎゅっと抱き寄せ、浮いたお尻をスケベなおっさんの指が這い回った。 「もうトロットロですね?奥さんのニャンニャンちゃん。凄く熱い♡」  ひん♡指がいやらしいですわ♡ん。  絡み合った舌の感触が、アリエールの心を溶かしていった。  快感でピンと伸びた白い足が、ジョナサンの腰に巻き付いていた。 「凄くいい匂いだ♡発情しきったうなじとニャンニャンちゃんが。なあ、アリエール」 「は♡はい♡赤ちゃんくださいまし♡」  これ以上ないほどアリエールのおっぱいに舌を這わせたジョナサンは、屹立したワンちゃんをあてがい、そして、情夫のそこが、アリエールのニャンニャンちゃんに侵入しようとした時、パタパタと羽ばたく音と共に、それはジョナサンの頭の上で、キチン質の前足を上げて挨拶した。  よう。  は? 「ぎ、ぎ、ぎゃあああああああああああああああああああす!!」 「は?あばああああああああん!!!」  多重展開した爆裂魔法が、スケベを部屋ごと吹っ飛ばしていた。 「な、何で俺が?」  吹っ飛ばされたジョナサンは、半焦げの状態で言った。 「出ましたわ!地獄の黒い悪夢が!先生の頭にひいいいいいいいいい!」 「んん?ゴキなんていないぞ?まあいいよ続きしよう。んー」 「い、いいいいいいいいやあああああああああああ!出てってくださいまし!(わたくし)は一人で寝ますわ!今晩は!健全に!虫のいないクリーンな夜を!」 「何だってんだ畜生!俺のワンちゃんどうすんだああああ!」  ジョナサンは部屋を追い出された。  ダインクーガーは、空中を絶えず彷徨う巨城であるが、城主の住む城の最上部には、前に捕らえた何種類もの小型の鳥が放し飼いにされていて、城主の部屋の隣は空中庭園になっていて、早朝は賑やかだった。  ヒタキやルリ、ホオジロがチュンチュンと囁く中、チュッチュという音を聞いて、アリエールはうっすら目を覚ました。 「うん♡可愛いぞアリエール♡」 「あ、先生?あん♡」  そういえば、ジョナサンと夜を過ごすと、自動的に朝の相手をするのがまあ決まっていた。  朝ワンは中々終わらないからしんどいというのが、妻愛人の共通認識だった。 「昨日は子供達と寝た。俺のワンちゃん落ち着かせて。アリぱいいただきまーす。ちゅー」  ふくよかに育ったアリエールの胸にすがり付いた。  関係を持つようになった頃は小さかった。  妊娠出産と自身の肉体的な成長を経て、アリエールは極上の美乳令嬢に成長していた。  ひいん♡ アリエールは甘えた声を上げた。  第二次エルネストベイビーを産んだアリエールは、ロージーが5歳。ギリギリ乳幼児であった為、今もおっぱいはお乳を分泌していて、おっぱいに強い執着のあるジョナサン滞在と聞いて、今絶賛お乳を溜めていたのだった。  傷ひとつない、芸術品のようなアリエールの肌を堪能するスケベな犬の姿があった。  下半身をいやらしくまさぐりながら、光沢を放つようなアリエールの唇を貪った。  どうでもいいが、女はみんな寝起きは口が臭い。まあ気にしないけど。  あー。アリニャンちゃんいい匂いする。  一心不乱にアリエールのニャンニャンちゃんを舐め回した。おっぱいを指でムニムニコリコリしながら。 「本当に綺麗な肌してるなアリエール。ミロのヴィーナスみたいだ。あの手の遺跡は残ってないが、ルーブルに行ってあれを見た時、アリエールそっくりだと思ってついムラムラしちゃった。これいい?もっとペロッていいの?」 「ひ、ひいん♡あ、貴方♡」  太腿に腕を絡めて愛撫していた情夫の頭を撫で回し、アリエールは悶えていた。 「頭撫でられるのは嫌いじゃないぞ♡アリニャンちゃんトロットロじゃないかホントに可愛い♡」 「あひいいいいいいいん♡」  ああ♡(わたくし)♡情夫にそこを舐め回されて♡出ちゃいましたわ♡つい♡はしたないお汁が♡  これから、(わたくし)達は登り詰めますのね♡  愛の終着駅に向かって。  素敵ですわ♡(わたくし)の勇者様♡こんなに絞った腹筋なんかビリビリしちゃいますの♡  やっぱり殿方はお腹が引っ込んでる方が魅力的ですわ♡これからカッチカチになった狂暴なワンちゃんが♡(わたくし)の敏感なそこをグイグイゴリゴリして♡ああ熱いのが(わたくし)の中に♡ ロズウェル♡ロージー♡妹か弟が出来ますのよ♡  ああ♡これから鼻の下をだらしなく伸ばした夫の、間抜けなお顔の上に乗ったゴキ様が♡ーーゴキ様?  裸の肩をカサカサした光沢を放つような黒いそれが。触角をウロウロさせて。  ハァイ。 「うううう、っぎゃあああああああああああああああああああああああああす!!!」  間抜けなスケベはやっぱり吹っ飛んでいった。
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