A PLOT 陰謀 -14-

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38.   飛んで火にいる夏の虫・・いやっ、違うか。  鴨が葱を背負(しょ)って来る・・略してカモネギ・・も ちょっと違うか。  まっ、何でもいいや。  このjust timingなところがね、もうもう笑えちゃうわよホント。  ま、今持ってる証拠だけでも充分涼と別れられるけど、この カードを切ると更に面白いことになりそうな予感。  希樹はゾクゾクしてくるのだった。  大学時代から付き合ってきた私の知ってる涼は・・もう この世のどこにも居ないのだとようやくここにきて改めて 認識できた。  愛結との浮気をキッカケに、私1人に縛られてなんか いられない女好きのするそんな人間になってしまったの だろう。  そして、誰のことも愛せない人間に・・なったの だろう。    愛結の時も、彼女に本気になるで無し保身のために 予定通り私と一緒(結婚した)になった。  愛結とのことも身体の関係を隠したまま反省と謝罪を しておきながら今またこうして新しい女と浮気してる。  きっと、女にはいろいろと都合のいいことばかり 吹き込んでいるのだろう。  女が本気なのが哀れだ。  結局この女とのことも、ただの遊びなのだから。  どうしてやろうか、あの嘘つきな男を!  フフン!  気がつくと私ったら鼻を鳴らして今の状況を楽しんでいる 節がある。  この余裕は二輝のお陰だなって思う。  もしも今の自分がたったひとりでいたなら、こうは いかなかったろうと思う。  つまらない、悪い奴と頭で判かっていても、涼に縋って しまったかもしれない。  女に対してだって、とても冷静に対応出来ないだろうと思う。  だけど、どう!今の私。  少しワクワクさえしているんだもの。  涼が陥落するようにどうやって女を焚き付けてやろうかって 楽しんでいる節がある。  覚悟しなさい、涼。  もう観念するしかないわよ。  涼の未来が私の手の内にあることを思うと背筋が ゾクゾクしてくる。  
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