十二年目の八月三十一日

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十二年目の八月三十一日

8月31日、私が毎年部屋で泣きはらしていることを母は知っていたと思う。机に置かれる通信表にはいつも、担任へのお願いや励ましの言葉がコメント枠外まで続く。今年は今までで最も短かった。 "学校が楽しそうでよかったです" 母は知っていた。私が今年初めて、学校を楽しいと感じていたことを。 「ありがとう」 ひどい涙声だったから、聞こえていたかはわからない。初めて泣かずに眠れる予定だったのに、どうしても止まらなかった。
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