1.春真

2/21
前へ
/220ページ
次へ
「ハル、これ3番テーブルね。」 「はーい!」 週末、ざわざわと多くの客で賑わう居酒屋の店内。 マスターから手渡された、出来上がったばかりの料理を彼は笑顔で受け取った。 「お待たせしましたー。」 そのままテーブルに運べば、仕事帰りのOLさん達であろう女性の集団から、このバイトくん可愛い…という熱い視線が惜しみなく送られる。 そんな視線を知ってか知らずか、いつものようにふんわりとした笑顔でぺこりと頭を下げて、彼は次のテーブルへと向かった。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1212人が本棚に入れています
本棚に追加