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ぎこちなく薔薇色をたどる自分の指先が少し冷たくて、さざめくように私は震える。
でも、この薔薇色が私をどれだけ強くしているか、あのひとは知らないだろう。
──あなたがいるから、生きていられる。
そんな歌詞の歌があったな、とぼんやり思う。
だけど私は、その美しい薔薇色が次第に薄くなり、色褪せていくことを知っている。
朱殷は血の色が褪せた証拠。
輝く赤い色を無くしてゆくとき、鮮やかな薔薇色は朱殷へと残酷に姿を変える。
間違えたい。あなたと間違え続けたい。人生も運命もなにもかもすべてを。
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