七月の昼中、君を刻む

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  「うん、知ってた」  そんな言葉と共に、首にぬるりと熱い舌が這った。びっくりして、死にそうに恥ずかしくて、だけど全然嫌じゃなかった。  舌と唇で廉士が私を確かめる様に蝕んでいく。  腰に回されていた廉士の手が、背中をなぞって肩甲骨や後頭部に上がる。その動きに合わせる様に、耳に、頬に、廉士が這う位置を変える。  廉士の掌が頬を包み込む。そのままくっと上を向かされ、濡れた瞳に捉えられる。長いキスに息が続かなくなる。  水面から顔を上げる様に、廉士の胸を押し返しながら頭を逸らして息をする。半開きになった私の口を、同じ様に半開きになった廉士の口が追いかける。舌を絡める。粘着質な音がする。  身体が火照る。息が上がる。言葉ではなく目と息で会話をした。だから廉士が私を抱き上げたって驚きはしなかった。 「軽すぎ。ちゃんと食べてる?」 「食べてるよ」  横たえられて、ベッドが軋む。廉士は私の腰の辺りを跨いで膝立ちになった。 「……いいの?」 「……うん」  久しぶりに音で会話をした。気恥ずかしくて目を逸した。  廉士が眉間にしわを寄せてシャツとタンクトップを脱いだ。廉士も恥ずかしのかもしれないと思うと、なんだか嬉しかった。  締まった身体に触れたくて手を伸ばす。 「何?」 「廉士に触りたい」  目で、耳で、鼻で、舌で、手で。身体中で廉士を確かめたい。
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