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「あれじゃね、お前限定不定期イベ。制裁」
「制裁をイベ言うの親友か腐男子ぐらいだよ。BLあるある言っちゃう?」
「言わない。お前の腰…思ってたより細いな」
「ある〜〜〜!!!」
SHRまで残り数分。遅刻ギリで登校して来た親友の元に瞬間移動し、今朝の手紙を報告すれば制裁をイベ認定してる事実が発覚。
人生楽しみまくってんね好き!
「真面目に宛名も署名も無いとなれば普通に制裁一択だろ。行くつもり?」
おふざけから一転して冷静になると、親友は俺を見上げてきた。
「ま〜…制裁だとしても待たせたら悪いし、ラブレターだったらもっと悪いからね」
返された手紙をなびかせると呆れ顔。
そこで思い返してみてほしいのは、俺に制裁を下そうとしてくる子たちは高確率で抜けてる子が多い話!
最近あった制裁は……あの日だ。新歓についての会議が予定されてた日。
放課後になるやトイレまで強制連行され、個室に押し入れられ、連れ出した張本人。チワワクンのストリップが突然始まったんだよね。
何やらカッターキャーならぬ強姦キャーでも目論んでたらしいけど、少ししてから可愛い下着を履いてくるのを忘れたやら。
『っクソ、これじゃ誰が来たって僕が可愛くない下着を履いてることがバレちゃうじゃん! …チッ、今回は見逃してあげる!』
なんて可愛い理由で悔しげに捨て台詞を吐き、庶務サマの親衛隊は去ってったんだよね〜。
なあなあで後ろ手で縛られた崖の上、じゃなくて便座の上の俺を放置して。
おかげさまで電話にも出られなかったし外すのに手こずったな……。
ほろ、と思い返して涙ぐんでれば色素の薄い灰白色が「危機感死にすぎな」言葉とセットでうんざりとした様子。ちゅき。
「制裁は毎度未遂だし、いざとなれば俺だって臨機応変にね!」
「どの口が言ってんだか」
「この口この口。見てみ、るっ!?」
机に両手ついてた片手を面の口辺りを指して身を乗り出すとぐい、と胸ぐらを掴まれて語尾が上がった。
ぉぁ…垂直気味なまつ毛に光が乗って神秘的だしいい匂いだし最高ずっとこの体制を希望。
「自己犠牲の癖を直してから言え」
面の奥。一度だけぱちっと目を瞬かせると「洗脳」なんて慣例性のない単語と一緒に手が離された。
え?
「催眠術、酒、媚薬。…お前さ、この胡散臭いレパートリーでも見事にバカみたいに効きまくるだろ。寝起きだって驚かないと一生ふにゃふにゃで流されやすい。そんな奴がなに?」
伏し目ながらも多弁な親友の伝えたいことなんて俺にはすぐ完璧に理解出来た。
うん!
「俺は粗チンだって噂でも広めとけばいい?」
「おいバカ」
───、、
余談
例のスタ得が公開処理されなかったので別のところに載せます。
気になる方はプロフから急遽作った青い鳥へ…🥲
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