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それから二人には部屋番と明日の準備ともろもろの用意を推奨して、寝起きの親友に道中視線で殺られかけながらも見えてきた601号室。
いやー…実はダメ元だったけどよく誘いに乗ってくれたね。
フッ軽な親友は別として交友〜だとか好まなさそうだし明日は普通に平日だってのに!
「ただいマッチョー」
「おかえリンゴー」
まいっか、と扉横の表札。俺の名前の下に彫られた小鳥寺 日頼の名前を横目にカードキーで解錠して、適当な挨拶と一緒に入るとこれまた適当な挨拶が返ってきた。
「そのパイロンなに?」
「会長サマの残骸」
「あっそう」
もうちょい詳細に言うと押し付けられた会長サマの残骸。
庶務サマは一瞬で興味が失せたらしく横画面にしたスマホに視線を戻した。
異世界を旅するゲームでもやってるのか、覗き見た画面にはなんかデッカイ恐竜やら色んなボタン。
…んん、伊達にゲーム好きを名乗ってるだけあって指の動きが追えないぐらい早い!
アそだ。
「ねね庶務サマ、オススメのゲームある?」
「あー……新作エロゲーならあるよ。グロ描写ありだけど結構エロい触手姦系」
外見に反してサラッと出てくるえげつない言葉に俺はもう驚かない。
何でも自分を輪姦そうとしてきた生徒たちのアレを一人一人かっ飛ばして『僕は見る専なんだよ』って一蹴したぐらいだもの…!
初対面の時はそれはビックリしたっけ。
行き場のない三角コーンを一旦コーナーソファ横に置いて、もっかい脳内でおすすめされたゲームを反芻。
新作のエロゲー。グロ描写。触手姦系。
聞き慣れない単語ばっかだけど、前提に友達とエロゲーなんてしないような。
あ、でも普通はすんのかな? 案外盛り上がったり……しないか。し…しな…しないね。
「やっぱいいや! 今日は昔ながらの怪談話でもするよ」
言えば、怪訝げに黄緑色の両目が見上げてきて。猫ちゃんみたい…と口に両手を当てたら睨まれちゃった。
「きみ、怖いのダメでしょ」
「お泊まり会と言えば恋バナか怪談が王道じゃない?」
安直だろうけど王道はとりあえずハズレなしってのが俺の考え。アイスも迷ったらカリカリ君一択!
「…別にいいけど僕のベッドに入り込んで来ないでよね。襲うよ」
「え」
それに怖くなったら庶務サマのベッドに入り込めばいいし、の魂胆は見え透いてたみたいで事前に拒否された。
察しレベルカンストは時に痛いね…。主に俺が!!
と、会話を交わしたところで部屋のチャイムが鳴った。
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