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エントリーNo.1
爽やかクン
「なにこのテロップ? そしてどうして僕が一番乗りなのかな。怪談話とか知らないんだけど」
「口裂け女とかトイレの花子さんでも童謡の怖い噂話とかでも許容範囲内だよ!」
「それも怪談話の部類に入るんだ? ……あ、一つだけクラスの人から聞いた話思い出した。学食厨房付近の個室トイレ、一番左端の一箇所だけ閉鎖されてるよね」
「気付けば使用禁止の張り紙付いてたねー」
「うん。出るんだって」
「え」
「幽霊、出るんだって」
「え」
「だから御札貼って盛り塩が盛ってあるらしいよ。気になるなら今度ドアの下の隙間から覗いて見たらどうかな? もしかしたら幽霊と目が合っちゃったり」
なんちゃって。
笑うお顔はとても素晴らしいけど、ホラー耐性がない俺からしたら現実のホラー話は本気でチビるよ。
「あんま怖くねーね!」
「バイブみてえに震えてんじゃん。ウケる」
誰かこの子の口をシルバニうさちゃんみたくぺけして。
エントリーNo.2
転入生クン
「俺はツッコまねえから。で? マジで話してもいいの? 俺の話すっげえ怖えーよ?」
布団の上で寝そべりながら得意げに言われてびく、と肩が揺れた。
他の人ならからかってるだけだと思うけどこの子は本気で言うよ。
ふいんきでわかる。これは強者の風格。眠たげに欠伸をしていようと…!
「や、やっぱ親友が先に……爆睡?」
いつに増して喋んないなとは思ってたけどまさか寝…寝て……すんごいあどけない顔で寝てるんだけど好き。きゅん…。
一回写真撮って、すやぴ寝顔を前に今日の放課後叩き起した記憶が蘇った。けども。
「サイコパスと鬼畜だけは死亡フラグだから!! ッどわ」
あぐらをかいたまま眠ってる親友の肩を揺さぶれば、背後から肩を引っ張られてゴロンっと仰向けに転がった。
天井の代わりに見えるのは美形。
「だったら君は奇人だよね」
「はは、ごめんって冗談…え、ちょちょちょ、転入生クン? なに俺の上でマウントポジション取ってんの?」
「誘いに乗ったのはその下見る為だしな」
…なに言ってんだこの子。もしや鬼畜じゃなく良心底つき人外? 宇宙人転入生?
「だから全部口に出てんだって。仮面外すか」
「いいい一旦落ち着かない? この面外されたら俺泣いちゃうよ。いいの? ガチ泣きだよ?」
「それはそれで面白そうだね」
「君らの連携技凄いねバッチリ拘束。今日知り合ったばっかじゃないの? …アッアッアッ待って待って!! おっけわかった!! 多分気になってること教えるからあ!!」
口元が少し晒され、思わず倍の声量で声を上げればやっと手が止まった。
本気なのか本気じゃないのかわっかんない……!
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