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「多分気になってること……俺の名前とか?」
「弱えな。もう一押し」
「会計サマの弱点!」
「よし」
訊きたかったんなら普通に訊けばいいのにね……野蛮人め……。
ぺそぺそしつつ、会計サマを売ることに対しての罪悪感はゼロだったりする。
会長サマ同様、初対面の出会い頭にクソマズ飴スマッシュされた挙句に口直しのために渡された飲み物もこれまたクソマズで吐きかけたからね俺。
あれだけは何気に根に持つ事案だよ。
「ふふふ今こそ復讐の時!」
「いいから教えて?」
「はい」
意外にも二人はちゃんと解放してくれて、親友を布団で寝かせてから三人で輪になった。
「まず俺の名前ね! 名前は奇戸 尋で本来は3年で生徒会書記やってるよ。そんで本題の弱点はね、」
「待て。待て、情報量が多い。本当は3年? しかも生徒会書記? その謎残して次に進むお前って何? 虫か?」
「えなんか変? てかそんな言う?」
「クラスメイトだったけど君の名前も年齢も生徒会役員だったことも知らなかったな…」
「傷ついた雰囲気出してるけど君が無関心過ぎるせいじゃないかな」
目尻を下げ、憂い気に微笑む爽やかクン。
一瞬その甘い顔に誤魔化されそうになったけど普通そんなにも認知なしはありえないよね。人に無関心なんだねなるほど!
「3年ならなんで2年に居んだよ。帰れ」
「いや留年」
「は?」
「留年しちゃってね」
「…。」
「えへへ」
隠しもしない絶句顔。
転入生クンのめっっちゃ引いた顔って想像以上に愉快でいいな!
ちょっと笑ったしちょっと泣いた。
「…今の話は忘れて、華乃の弱点教えろ」
会計サマとの険悪な感じ的にゲロマズスマッシュ通り魔事件の被害者だと思ってたけど予感的中。
弱点突いて懲らしめようとしてんのかは不明だけど、会計サマってアレを無意識にやるから反省しないのが難点なんだよね。
なんで怒ってるの? コレ(ゲロマズ物体)いる? みたいな。
「うんうん会計サマの弱点ね。ズバリ肩甲骨と新聞部所属の3-A、葉瀬 明! あと俺も正直苦手…」
パパラッチクンて気付けば木の上水の中草の間に居るから心臓に悪影響なん………悪童コンビが良くない顔してら。
「君も苦手なんだ」
「新聞部の葉瀬が」
ア。
「ごめん嘘チョー好き」
「嘘つけ」
「嘘つく奇人はどこだ?」
「爽やかクンなんか楽しそうだねやめて。嘘が嘘だから、面に手伸ばさないで?」
「嘘が嘘ってややこしいな」
「うん、俺も言ってて思っ…だからやめてって!!」
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