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「そうだ、会長サマが食堂に三角コーン被って来てたのって何だったんすか? 罰ゲーム?」
「例の学食集団自殺未遂の件ですか」
「物騒…」
そう言えば、と問えばサラリと教えてくれた新事実に俺は無になった。
曰く、転入生クンが会長サマとの接触を自ら避けるよう企てた副会長サマの計画とのこと。
その日の今朝方に会長サマに今日の運勢占いは最下位でアンラッキースケベに見舞われるという嘘の情報を教えたとのこと。
優男を装ってラッキーアイテムは三角コーンだって渡して。んで、極めつけに被った方が効果的だって念押しをしたって……。
俺はなんも言えなかった。
本当、何も言えなかった。喜怒も哀楽も湧いてこなかった。凪。
「輝は中等部2年までサンタクロースの存在を信じていたのでイケると思って」
にこ、じゃないよ。
思っての後にハート付きそうな声と笑顔だけどにこ、じゃないんだよね。
「満、お前俺のこと騙し…落ち着け。ハンマーなんて物騒なモン今の一瞬でどこから取り出した」
「運勢内容以外全て嘘。思い出したら腹が立ってきましたので一発だけよろしいですか? 一発だけでいいんで」
「そんな凶器で一発でも殴ったら死ぬが?」
「殺すんだよ」
「殺意高いな」
裏で糸引いてたのがまさかの人物で驚いたけど、案外副会長サマの裏糸引きは腑に落ちる。
個人的生徒会で裏切りそうランキング堂々一位だもんね。最下位は無論俺!
「ちょ、落ち着いてよ二人ともお! ひーくんも軽く殺人事件が起きそうなのに無視しないでー!」
「庶務サマってばどうせ会議終わったあと帰ったよな。…あ、今日親衛隊とのウフパだっけ」
「フル無視?」
触らぬ神に祟りなし。
それから雑談を混じえながら仕事(内二名はド真剣〇✕ゲー)を着実にこなしてけば19時ちょい過ぎ。
そこいらで会計サマが「ぁ〜…」と少し長めの母音を発した。
「これも風紀の承認が必要なやつじゃ〜ん」
ぐでん、と項垂れるその目の前には数枚の紙。つまり誰かが風紀室に足を運ばないと……。
慌てて目を逸らそうとしてバッチリ。アウトォ!!
「ひーくん行ってきてくれない?」
「いや…」
「サイキンマン&モモパンマンコラボの飴」
「ヨシキタ行って来ます!」
「チョローい!」
右手に二つの飴の包みの感触と囁かれた甘美な言葉に頷く以外の選択肢は存在していないよね。
飴をポッケに大事にしまった俺は書類を両手に風紀室までらんらんスキップした。やっふー!
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