え?

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俺の手から書類を受け取った風紀委員長サマは目を通しポンポン承認してくれた。 すぐさま返された書類を見て、軽く目を向ける。 「不定期なアレすか。モモパンマンのガラガラプレゼントしようか?」 「……持ってるのか」 「そりゃモモパンマン好きとしてね!」 「……似合うな」 ワンテンポ遅れつつも会話してくれる風紀委員長サマ愛だわ〜。会長サマならガン無視か鋭い目で睨んでくるからさ。 仕方なく俺はお眠な子の手を引いてソファまで導いた。 「ねんねんおころりよ。仮眠再開していーよ」 「……いや、起きた。大丈夫だ。すまなかった」 眼鏡逆さまになーに言ってんだこのイケメン。 「いいから仮眠! それか今すぐ帰宅して寝る! その様子じゃ授業もマトモに受けらんなかったっしょ」 眼鏡を取り上げてソファに座らせると不服そう。 不定期にくる風紀委員長サマの不眠症。それは一週間に一回だったり二回だったり二ヶ月に一回だったり。 体調崩してまで仕事を受け持つなって注意してたのにね。 「用事終わったんで俺は戻るけどちゃんと息抜きしてね。あとカフェイン類も程々に! …っと」 ブランケットを投げ付けて帰ろうとすれば手首が掴まれた。 おっとまさか……コレってまだ帰るなよ的な「すまない、吐きそ、…だか、ら袋を…」 その言葉を聞いたあとの俺は半年間の中で最高記録に俊敏な動きだったと思う。 袋を速攻で棚から取り出して渡して、コップに水道水を入れて、苦しんでるその背をさすって。 「…い……委員長、大丈夫?」 結局なんも吐けなかったみたいで、風紀委員長サマは首を振ってから袋から顔を出した。 「委員長呼び懐かしいな…」 「うわーー!! おかえりなさい風紀委員長サマーー!!」 吐けはしなかったらしいけど血色の戻った顔色に俺は思わず抱きついた。 普段弱んない人が弱ってんの見ると多大な不安感が押し寄せてくるよね! わ……ァ…ァ。 「引っ付くな破廉恥だぞ」 「それアンタが言うの?」 No、と押し返されて真顔になった。 そんなクレイバーに抱いてやるよ的な格好と一緒の類にしないでほしい。健康体だったらコブラツイストしかけてたよ!! 「はー……そんじゃ俺ほんと戻るんで。体調管理はしっかりね」 まったく俺が疲れちゃったね。 机に放り出してた書類を取ろうと腰を上げる前にぽふ、と頭上に乗っかる手。 横を向けば細められた眦と緩く上がった口角が黄金比な笑みがあって。 「助かった」 俺は面の下できゅっと口を閉じた。 風紀委員長サマの彼女体験しちゃったちゃむよ。
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