え?

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逃げ場なしの手詰まり。 いっそスーパーで泣きじゃくる子供みたく泣いてやろうかな…。 かえって沈着してると、とつとしてさざめき立ってた学食内が揺れた。 浮き足立つ声を聞くよりも「クソ仮面野郎どこだア!!!」怒声の方が上回って。 声の出処がする方へ視線を向ければワ! ご立腹な会長サマ! 俺は全身脱力して生を諦めた。 「廊下に書類ぶちまけといて公共の場で盛るとはいい度胸だな」 「今回は俺だけのせいじゃないから言い訳していいすか? この耳見える?」 「そうか言ってみろ。三行で」 「宇宙人、首輪、キチガイ」 「微塵も理解出来ないな。種からやり直せ」 無茶振りに答えたのに散々な言いよう。俺の言い分もしっかりと聞いてほしいとこだね! キチガイこと元凶の内一人。九十八は会長サマの目的に気が付いて颯爽に足を引きやがった。 お前なんかセフレに下克上されろヴァーーーカッ!!!(爆音) 「てゆか会長サマは俺がここにいるって何で…盗聴器かGPSでも…?」 「お前が学食までずられていると俺の親衛隊長からな」 「知ってんじゃんか! …でーす」 思わず敬語を崩しそうになれば目敏く親衛隊チャンずに睨まれた。 その目は『テメェ如きが馴れ馴れしく話すんじゃねえKY厨二病野郎』だってさ。 「そだ会長サマ、この首輪外せます? 自分じゃどうにも取れなくて」 「それぐらい自分で外せ」 心配も何もなくただ呆れた目を寄越されちゃった…。 仕方なく「……へえ、会長サマでもダメかあ」てわざとらしくボヤけば海藻よりも簡単に釣れた。 「お、なんか気まずいんで早めに終わらせてね」 「その面引き剥がすぞ」 俺は椅子に座って、外しやすいよう少し上向いてるからバッチリと向かい合ってて気まずい。 下アングルからでもカッケーね。 「ぁー…会長サマって好きなタイプの子とかいる? 俺は清楚な真面目系委員長系がタイプ」 「童貞の模範解答か? …強いて言うならいい子な奴が好きだ」 「会長サマの場合いい子ってか従順な奴の間違いじゃないすか。綺麗事言っちゃっても〜」 「自殺願望があるんだな」 「ねえよ。殺さんで」 暇つぶしに談笑をして、会長サマも苦戦しつつ外そうとしてくれてた最中。 コソコソとどこからともなく聞こえた「会長様と奇人が服従プレイしてる…?」なんて囁きが見事に俺らの時を止めた。 「…会長サマ…俺なんだか吐き気が…」 「奇遇だな。俺もだ」 気分と顔色が途端に悪くなった俺らは二の句を交わすでもなく散るように各自解散した。人間誰しも自衛の心大事!
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