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「この面で首輪とか絵面やばいかな…」
完璧サイコキラー系不審者だけど、帰れば庶務サマが外してくれるだろうからそれまでの辛抱!
絵面は目も当てられないけど周囲に人気も羞恥心もないしさ。
「ひーくんいたぁ……!」
それよか今日の夕飯はなんだろね、と一人廊下をぽとぽと歩いてれば前方から焦り声が。
見やるとなにやら小走りで駆け寄って来てる会計サマを目視。デートに遅刻シチュ〜彼氏編〜でも実演してんのかな!
「そんな急いでどしたんすか?」
「はぁ、…もうひーくん! おつかいに行ってくれたのは有難いけど道端で捨てたらダメだよ!」
「ごめんなさ〜い」
ぷんすかぷんぷん! 微塵も怖くない叱りにけろっと詫びれば、ん? と距離を縮めてきた。
何かを見つけたらしい目線の先には俺の首。近いな〜〜。
「ひーくんひーくん、コレなに? 首輪?」
「はっ、そう! そうそう聞いて! コレ地毛が天パクンにいきなり着けられちゃったんすよ!」
「あはは、地毛が天パくんはどこにでも……あ」
手にしていた書類を急にあたふた漁って、お目当ての物を見つけるや俺の前に一枚の紙が突きつけられた。
近過ぎて見えない見えない…!
「もうちょい距離を……よし、なになに? 転入生…七瀬…………ッエあの子も転入生だったの? しかも一年ッ!!」
差し出された紙には天パクンの写真と、生年月日に名前エトセトラが簡潔に記されてた。
そゆ系は書記に関係ないって流してたから知らなかっ……好きな物まで書いてら!
「やっぱこの子? この子少しぶっ飛んでるらしいから気を付けてねって言い忘れてたあ」
ぶっ飛んでるに少しもクソもねえのよ会計サマ…。
「それもうちょい早く言ってほしかったり〜!」
「その上でもう一つニュースあるよ。俺もすっかり忘れてたんだけどね、けーちゃん居るよね?」
「転入生クンすか?」
「そそ。あの子ねえ、みつくんが前々から俺らに『私の従兄弟とても素敵なんですよ』って自慢してたあの従兄弟の子なんだよー!」
「えっ怪我した副会長サマを姫抱きして家まで送り帰ったっていうあの…?」
「そー!」
へえ。ああうんなるほどね。
どうりで力持ちに加えてズバズバ物言うタイプだったわけか…。あと身に覚えある背筋過冷却威圧!
副会長サマが他人に、ましてや転校初日の生徒に執着すんのガチ正気かとは思ってたけど……。
三拍くらい置いて、俺たちは顔を合わせた。
会計サマはふわふわ笑ってる。俺はぶっ倒れた。
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