9/17
1389人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
少し濃いめの昼食ののち。役員特権の授業免除だとかを悪用せずに学問に励み、キッチリ午後も頑張った俺は今なにをしているのか。 そう、この通りにホストンの雑用中〜! どして??? まずは聞きこみかな、と放課後すぐにホストンの元へ向かったらなんやかんや教材入りダンボール渡されちゃった…。 情報量に体を要求されちゃったよ…っ! 「んで。先生はこの学園にまつわる七不思議とか知ってる? 真夜中になるチャイム的な!」 「そんなもの知らないな。興味もない」 「ええ…俺が訊きたかった話一瞬で終わっちゃったんすけど……」 サッパリ切り捨てられて肩が落ちた。取り付く島もなしは流石に予想してなかったよ俺。 ぺしょんと落ち込んでも現状は変わらないわけで、仕方なく聞き込みできそうな知人を指折り数えた。 まずは生徒会役員でしょ。 風紀委員長サマ、ドジっ子クン、転入生クンと爽やかクンもいいかな。 あとは…委員長長クンとかぐらい。九十八やあの二人は論外! …ま、身近な公募はこんぐらいかな。 人数少ないしあまりいい期待はしない方が良さそーだけど。 「お」 軽い目星をつけながら準備室に入れば、床に散乱した本が目に付いた。 振り返れば一部空間の空いた本棚を顎で示されて、俺はぺぺっと教材をそこら辺に置いて本を元に戻した。 順番はわかんないけど大丈夫だよね! 背表紙の上下は合ってるしさ。 ホストンが教材を移動させてるのを尻目に最後の一冊を戻して。用も済ませたことだしサッと挨拶して帰ろうとした俺は体が瞬間に強ばった。 隣に向き直ったら神妙な顔で見られてたとか誰でもビビるよね。 「な……なに? 俺なんかした…? モモパンマンの棒キャンディーあげたら許してくれる系?」 咄嗟に両手を前に臨戦態勢になれば、長めの間のあとに小さなため息。 どうやら俺にウンザリしてしまったらしいね。頭抱えた。 「…この間の生徒評議会。進行役の一人のお前はどこで何をしてた。バックれたろ」 「え! や、違くて、ボイコットしたんじゃなくて忘れちゃってたんだって!」 気だるげながらもどことなくお説教モード。そこで汗汗とした俺は生徒会顧問でもある先生の目論に気付いてしまった。 まさか説教する理由のこじつけに手伝いを頼まれたんじゃないよね…ってね。 ……ある。全然余裕である!!! この人些細なとこで機転利くし、気が付けばあれよあれよ流されてるなんて日常茶飯事。 俺が流されやすいとかの話は投げといて!
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!