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「それなら好きでもない奴とヤッたんだね。ひーくんてば案外プレイボーイだあ」
「ぉ〜……っと、恋人居たってことで」
「通る筈がないだろ。架空の恋人を生み出すなプレイボーイ」
「健全の皮を被るのやめましょうプレイボーイ」
「だッ、からガチで違うんだって! 好き好んでしたんじゃないんすよ!」
なんて言ってもプレイボーイが語尾の茶化ししか返ってこない。
完全冷やかしモードに入ったノリが小学生で俺ついていけないようんち。
本音は突然のシリアスよりかマシだけど、健全からプレイボーイに成り下がったのはいただけない。まだ同性の恋人居たってことにして!!
「あ、なら無理矢理された?」
スマホポチポチ庶務サマの言葉に固まったのは俺含め計三人。
会長サマは動揺のし過ぎてクッキー口じゃなくて目に運んでるし、副会長サマはまだ湯気立つ紅茶を一気してる。
「や、同意の上です」
そして俺はス、と片手を前に出してガチトーンを発した。
これ以上は大事故が起きかねない。俺は地球を救う救世主になるために立ち上がった。
今日から俺のことはプレイボーイって呼んでね。
「……そもそもさ、俺がいつナニを卒業したかなんて話はどーーーでも良くて。それよかゴールド特典のが重要なんすけど!」
コレ! と最後の項目を指差し抗議すれば、それは決定事項だと副会長サマに一蹴された。病み。
「こんなんじゃもう生徒会じゃなくてメンコンかホストじゃん…俺ら知名度は高いけどその前に生徒だよ…何で景品にされんすかあ〜〜〜…」
「よすよす、ひーくんは特に真面目に頑張ってるもんね。でも景品要望欄に一番多かったんだよー」
背もたれに大きくもたれかかって喚けば隣から頭を優しく撫でられた。
…だけど俺がいくら駄々こねたって景品項目にコレがあるのは、その日会議に出席しなかった俺以外の大多数は納得の上だもんね…。
「諦めなよ尋。それにゴールドなんて参加者を十数人殺んなきゃ貰えないんだから」
「殺んなきゃって……アでもそっか、そうじゃん。そんなら大抵はシルバー特典になるよね!」
「そお。納得出来た?」
「うんうん! それに嫌なら口だけじゃなく俺が頑張ればいいだけだし」
そうだよ、ホスト化を阻止したいなら俺が慈悲なく生徒を狩りまくれば一件落着なわけだ。
これでも運動神経だとかは自他ともに認めてっからね!
ふふ。小さく笑ったら何やら「チョロすぎ」と黄緑色からジト目を送られてしまった。
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