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新歓の内容も一見して、特典の件もまあ納得したしロシアンティーとやらを楽しむとしよっかな!
さっそく面を少しズラして、人数分小分けにされた甘酸っぱいジャムを少し食べて。
それから紅茶にふーっと息を吹きかけて飲んだ直後。
「じゃ、首元失礼しまあす」
「、!?!?!」
なんと会計サマが言葉通り俺の首元に突然アポ無し突撃してきやがった。
阻止しようにも面ズレてるし手にはまだ熱い紅茶。
ぐるりと一周悩んで。
紅茶を置いて、面を着け、ボタンを一つ外してきた手首を掴んで。それから焦りで味も楽しめなかった熱い紅茶を胃に落とした。
「ッ…に、やってるんすかね?」
「首元開けようとしただけだよ?」
「だよ。じゃねえわこの野郎」
「奇戸、口悪いぞ」
「あばっ…それは申し訳ないす」
向かい側の会長サマに意識が逸れると、その隙に上手く俺の手から逃れた手が肩を押してきた。
ひんやり、とうなじが革製のソファに触れてちべたいね。
…あれ……?
流れ作業に静止してる間に足の間には長い御御足があって、利き手を何やら恋人繋ぎの状態で固定された。じわ、と繋がれた手のひらに汗が滲む。
待て、待て待て待て待て。
「私、気付かぬ間にAV撮影に割って入ってしまっていたようです。ちょっと紅茶のおかわり淹れてきますね」
「どうやら俺もだ。撮影料貰わないとな」
「尋って瞬発力も反射も良いのに隙だらけ。満先輩、僕も手伝う」
「お願い助けて実は俺にも羞恥心というものがありまして…!」
「見苦しいな。潔く諦めろ」
「ご開帳〜」
「ァァァ!! やってません!! やってませんお客様!! 今はまだ開店前です!!」
片手のみの抵抗は意味を成さなくて。
同じく片手なはずの指先は器用にぷつぷつボタンを外して、ついにシャツを普段通りまで開けられた。
まだ常識枠の頼みの綱だった庶務サマは逃げたし会長サマはクッキー食ってる。
ワンチャン今朝から今にかけて消えてるのを期待して、すぐにそれはないって思い知った。
好奇心に緩んでいた桃色の目が丸くなったからさ。
「なんか性的なこととは無関係そうなひーくんにキスマとかあんのってアレだね」
「…シテ……コロシテ…」
「え? 犯して?」
「難聴!!!!」
「ね、ね、輝くん見てよこれ。ひーくんが独占欲の強いネコちゃんとニャンニャンした痕だってさあ」
見せびらかすように言う会計サマにどれどれ、と覗いてくる会長サマとはもう絶交する。
それとネコちゃんだとかそんな可愛いもんじゃないけど、アイツは動物に例えれば猫科なのは的確。
あれ、あの、チーターとかヒョウとか。髪色からしてね。髪色!
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