料理

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「そうと決まればLIMEと連絡先交換しようぜ。これオレの!」 「れん…っ!? いやそれは、」 「いいぞ」 「いいですよ」 首振り人形たちを眺め、キィーッと悔しがる声をかしこに俺は流れに身を任せることにした。 時に長い物に巻かれよう精神大事! 改めて感じれば「ソイツとは無理」だなんて声を聞き取った。 声の主を見れば長い前髪から見える視線の先には俺。 「ん? 視力ゴミなの? 俺だよ、俺俺!」 「お前」 そこからの記憶はない。 確か俺の前世は勇者だし今世はスーパーヒーロー。 何気転入生クンとはマブだと思ってたからショックが凄まじい。俺ら一緒にチュープリ撮ろって言ったじゃん! これは記憶違い。 「おいお前どうしてそんなこと言うんだよ。どうせツラがキモイからだろ? 見た目で決めるなんてクソ野郎だぞ!」 無駄に俺を傷付けてるなんて知らない天パクンは花瓶から花を一つ取り出して、俺の横髪に挿し「ほら見ろかわ…いくねえな!」そう続けた。 水気取ってくれなかったから横髪べっしょりなったし貶されたの何でだろ。 「いじめんなよ。花を」 「俺は?」 「お前らふざけてないでスマホ出せ」 真顔で花を抜き取る転入生クンに抗議する間もなく、俺は渋々スマホを取り出した。 透明カバー裏には親友とモモパンマンの写真が入ってたりする。可愛いね! 「…待て。俺とはもう交換してるよな」 「そう言えば私も登録済みでしたね」 「え、ブロ削済みすよ」 〜ただいま映像が乱れておりますので、しばしお待ちください〜 「フルボッコだドン……」 「もう一度遊べますよ?」 「生涯遠慮しときます…」 「通りで会議の時に連絡が取れなかったのか。親衛隊が散財するほど求める物だぞ? お前の命より大切にしろ」 「自己肯定感どっから湧いてくるんすか?」 ぐじゅぐじゅ泣きながら交換を終えた俺。 もう二度と消すなって叱咤されたしフルボッコにされちゃった。うう……。 ついでに天パクンとも交換したけど、まだ交換してない人物が一人。 「そんなわけで可哀想な俺とLIME交換だけでもしてみない?」 「どんな訳だよ。お前からLIMEしてこねえって約束すんならしてやるよ」 LIMEの存在意義…? とは思ったけど、俺は無言でこっくりと頷いて無事に交換達成。 数日ぶりの昼食はまたも濃くなったけど、転入生クンのLIMEという手柄をゲット! アイコンは道端の石ころだった。 鼻水垂らした某ちゃんかな。
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