モモパンマン

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「みつくんも偶然〜! ワケもなにも学食に来たらひーくんが居てね」 「なるほどはいそうですか帰れ。景が汚れます」 「どうだっていいから俺を挟んで口論すんのやめてくんね?」 おい見ろよアレ! あそこだけブリザードが降ってやがる! 異常気象だ〜! なんてきゃわきゃ雪の積もった翌朝みたく喜んじゃうのもムリはないよね。完璧他人事。 …だけど、死んだ魚の目がデフォな副会長サマとゆるふわゲテモノ好き会計サマに囲まれる転入生クン。 と、さっきから何事もないように昼食を食べてる爽やかクン。 何だかこれは…。 「カッワイソー(笑)」 「誰かあのゲス野郎絞めてくれ」 「へへっなんとでもほざンぶッッ!!」 プスーっと指さして笑ってた俺の首が再度狩る勢いで絞まった。 絞めるとしても間隔開けてから絞めてほしいみたいな……。 考えたとこで香ったミント系の清涼な香り。これはまた親衛隊の目が痛くなるな〜〜〜。 「この席は随分と賑やかだな」 「ア゚」 「どっからその声出してるんだ?」 香りまでなら知らんふり出来たけどこの声。この声! 甘めの低音しっとりボイスで会長サマだと聡い俺はわかった。 多分コイツさ、バイトで声優やってると思うんだよね。 意味はないに等しいけどしんゆ…! て縋るように隣を向いてみたけど、一秒も経たずスっと逸らされた。 相手が親友じゃなかったら今頃耳元で韓国風ASMRしてたよ俺。 「コイツが2階席に居ないのはいつものことだが(みつる)(みやび)までこぞってどうした」 「ちょ、ちょ会長サマ、俺の首し、しまっ…!」 話しながら尚もぐぐぐ、と絞めてく腕力バグってんだろアホ!! …て、やばい、やばいやばい。 これ以上は真面目にダメだ吐きそう。さっき何とか胃に収めたダークマターオエェッて吐き出しちゃうからァ…! 痛くはしないようぺしぺし腕を叩いても緩む気配なし。近付く嘔吐。死、死………! 「いえ、特にどうと言う話ではないのですが…雅がウチの景に微笑んでいたので蹴散らそうと」 「もお俺は蜘蛛じゃないよ〜。てかひーくん死にかけてるよ」 「あ」 その一声のおかげで嘔吐間一髪で解放された首。 空気を取り込む準備をしてなかった俺は、思いの外ヒュっと肺にきた酸素に軽くむせ返った。 「ゴホッ! ゲホ、ゲホッ…!! ケホッ、……はっ、…はー…久しぶりに殺されるかと思った…」 「パワーワードぶっ込むのやめろ。久しぶりに殺されかけるってなんだ」 「?? ご存知ないかも知れないすけど、何度か君に殺られかけてんだけど」 「さあな」 自覚あり気な莞爾とした笑みに盗み見してた周囲は萌えてるけどよく考えて。最低だよ? コイツ。
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