015:走り続けたその先には

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*** 「ぬ、主様…… 一体、なにがどうなったのです!?」 「……見ての通りだ。 おまえのやりすぎたことを、ほんの少し修正した。 しかし、ほんの少しとはいえ、この修正は大変なことだぞ。 時の流れを変える大きな力を使ったのだからな。 そのおかげであの村を元通りにすることは出来なかった。 ……あとはおまえに任せる。」 「ま、任せる……?」 セラフィナは、まだ事態が飲みこめない様子で、戸惑った顔を老人の方に向けた。 「次におまえに会えるのは、ここが昔のように戻った頃だな。 その頃には、おまえも大好きな巫女の舞いや歌が見られることだろう。」 「舞いや歌が…… し、しかし…村には巫女はいません。 あの者ももう巫女の証は失いました。」 老人は、セラフィナの言葉に何も答えず、ただ静かに微笑んだ。 「セラフィナよ……人間のことを学ぶのだ…」 そう言うと同時に、老人がセラフィナの肩を突く。 セラフィナは何も言う暇もないまま、後ろ向きに倒れこんで……
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